町長コラム

私の年金・税制改正案  2019年9月18日掲載

時事通信社の地方行政という冊子に寄稿した原稿です。

 老後に2千万円が不足するという金融庁の報告書に対する、与野党双方の反応にがっかりしました。
 町長業務の一つに、県社会福祉事務所への生活保護の進達があります。町職員が作成した書類に目を通すと、気の毒な状況の方ばかりですが、経歴を見ながら、たまに思うことがあります。「この方は、働いていたときに、なぜ、年金の保険料を納めなかったのだろうか」と。
 昨年度の国民年金保険料の納付率は68%でしたが、4割の方が免除や猶予されているので、実質的な納付率は4割になります。このままでは、無年金・低年金者が増え、現在でも2百万人を超え、公費負担額が3.8兆円にもなる生活保護の受給者も増えるでしょう。
 もちろん、国民年金の満額支給、月額6万5千円では足りませんが、無収入に全て公費を充てるよりは財政上の負担軽減になります。
 消費税率アップにより、基礎(国民)年金の国庫負担率が1/2となりましたが、それでも、世代間で不公平感が生じていることから、全世代で負担することになる消費税でもって全額国庫負担とすることが持論です。
 先日、満百歳となった女性のお祝いに伺いました。「93歳まで家族の食事を作っていた」と。彼女は一家の支え手だったのです。かつての日本は、家族がいることを前提として社会保障制度が設計されていました。都会では保育園に入れない、地方では空き家が増大という悩みも、家族と離れたことが主な要因と考えています。
 そこで、税制の改正も提案します。所得税の老人扶養控除額は、現行は同居が58万円に対し、非同居でも48万円もありますが、この差額を拡げることです。
 国会におかれては、昨今の政治不信を招いている財源の裏付けのないポピュリズムはやめていただき、本音の議論をされるよう願っています。