成人式と二十歳(2023年1月13日掲載 )

更新日:2023年01月13日

成人式と二十歳

1月8日、立山町として、成人式、改め、「二十歳のつどい」を開催しました。以下、式辞用に用意したスピーチ原稿です。翌日の北日本新聞に囲み記事として紹介されていましたが、後段にある「新聞を読む」ことを勧めていたからだと思います。なお、この通りには話していません。

 

成人式おめでとう。私は、成人式の方がしっくりきます。

先月、韓国の人気グループ「BTS」のメンバーである、ジンさんが兵役で陸軍に入隊したと、NHKでも大きく報道されました。韓国では19歳で兵役検査があり、28歳までに1年半以上も軍隊に行かねばなりません。つまり、19歳で成人とみなしています。

日本では、150年前の1873年(明治6年)から徴兵検査が20歳で行われていました。その3年後の1876年に、法律で成人を20歳としたのです。体力もさることながら、物事を判断する能力もついている年齢とみなされたのでしょう。

成人の日について、法律には、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」とあります。ちなみに、成人式、改め、二十歳のつどい、この行事を実施することは、法律にも規定されていなければ、国から町に要請されているわけでもありません。こうしたお祝いの行事を自治体(市町村)挙げて行っている国は日本だけだそうです。

私は、皆さんに自衛隊に入隊してほしいという意図で話しているわけではありません。でも、似たような意味です。一日でも早く、社会を支える戦力になってほしいのです。この国はそういう状況に追い込まれています。もちろん、自分の力不足を認めるようですが、この立山町もそうです。

政治家になってほしいという意図でもありません。人の命を救い、患者から、「先生ありがとうございます」と言われるような医師になってほしいと言っているわけでもありません。

もちろん、お店で、お客さんから「ありがとう」と言われると、気持ちがいいし、やる気も出てきます。我々が眠っている、夜中でないと仕事にならない職業もあります。当然、誰も見ていないし、誰からも感謝されることはないでしょう。それでも、その地味な作業を誰かがやらなければならないし、その人がいることで、社会全体はうまく回っています。世の中の仕事とはそういうものです。

ただし、その人が、「ありがとう」 「すごいねえ」と、誰からも直に言葉を掛けられることはないけれど、「誰かが見ている」 「神様は見てくれているはずだ」という感性がないと、なかなか続けられません。言い換えれば、自分の仕事が「誰かの、社会の、役に立っているはずだ」と信じられるかどうかで頑張れるのです。この感性がないと、「やってられねえ」となってしまいます。

では、どうすれば感性が身につくのか? 人生経験が一番です。もちろん、限界があるので、本や新聞を読んで、他人の経験を自分の経験とするのです。そして、想像力を養うのです。

遊ぶお金のために働く。そういう人はこどもです。おとな(成人)ではありません。
「夢はサッカー選手になりたい」ではなく、「サッカー選手になって、人を感動させたい」なのです。そういう、きみたちに期待しています。

 

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