将来負担軽減のための設備投資(2023年4月12日掲載 )

更新日:2023年04月12日

将来負担軽減のための設備投資

安倍晋三首相(当時)が、全国の学校に臨時休校を求めたのは、令和2年2月27日でした。3月2日からの休校のため、会社を休まざるを得ない保護者。さらに、人々は外出を控えるようになり、飲食店は休業、解雇される店員、国民の多くは窮地に陥りました。そこで、政府は全国民を対象に『特別定額給付金』として一律10万円を給付するよう、事務費(システム改修費や印刷費など)も付けて予算を市町村に配分しました。

令和3年度は、これも国の予算(お金)で、『子育て世帯への臨時特別給付金』として子ども一人当たり10万円を配りました。令和4年度にも同様の措置がありましたが、住民税非課税世帯等には、さらに国の『臨時給付金』として10万円が支給されました。

国の現金給付は市町村の会計を通す以外にもありました。家賃支援給付金、住居確保給付金、持続化給付金のほか、社会福祉協議会を通じて借り入れる生活福祉資金(返済免除の場合あり)など、各方面からさまざまな現金給付等が行われたのです。

また、現金給付とは別に、新型コロナウイルス感染拡大防止対策や経済対策に各市町村の裁量で使うことができる交付金が配分されました。これをもとに、全国の自治体は、空気清浄機の導入や、公共交通機関への補助金、消費喚起キャンペーンなど、多方面で活用しました。さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、エネルギーや物価が高騰したことから、令和3年度と4年度でだけでも、約3.7億円が立山町へ交付決定されています。

しかし、財源はどれも赤字国債です。橋や道路、学校を作り、あるいは改修するための建設国債と違って、次世代に何も残せません。子どもたちに多額の借金だけを残す結果(注意1)となってしまいました。物価高の要因のひとつに円安があります。日本が赤字国債を発行しすぎたために、市場(世界)が日本経済の将来性を疑うようになったからである、と解説する識者がいます。私もそう思います。

 

令和5年度一般会計予算は対前年度11.7%増の130億円。当初予算としては過去最大となりました。環境省の補助や町財政に有利な起債を活用して、町民会館と子育て支援センター(旧西部児童館)などの統廃合施設建設、学校や公民館などのLED照明への更新、町予算を経由して補助する特別養護老人ホーム竜ヶ浜荘の省エネ化が主な要因です。

国は「脱炭素のための」予算を重点配分しています。私は、これを「電気代削減のための」と言い換えています。何もしなくても、設備は老朽化するし、光熱費は上がっていきます。そのため、町財政にとって有利な国の補助事業があれば、これからも積極的に取り込んでいきます。光熱費をはじめとする維持管理費がかさむということは、その分、福祉などの他の事業に割り当てる余力が減ることになるからです。

次世代に過度な負担を残さないように、いまやれることをやっておく。これが令和5年度予算です。

 

(注意1)令和4年度末までの日本の国債発行残高は1029兆円

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