2008年10月27日町長コラム
学校音楽コンクールを聞いて思ったこと 2008年10月27日掲載
「黙っていれば友達になれない。叫ばなければ消え去ってしまう。私たちが生まれてきた時から、育ててきた何かを伝え合うために、ちぎれた世界の心と心を繋ぎあうために、私たちの歌が今ここにある。」ラジオの深夜番組「コッキーポップ(1971年~1986年)」パーソナリティーの大石吾朗さんのナレーションです。月曜から金曜日まで、主に午前0時30分から1時まで放送されていました。
私が中学・高校生の頃は、布団の中でこのラジオ放送を聴き、そのまま眠ったものです。柴田まゆみ『白いページの中で』、谷山浩子『カントリーガール』、相曽晴日『コーヒーハウスにて』…。いまでも、サビの部分が自然と出てきます。
いま、町を挙げて、子どもたちに「早寝・早起き・朝ごはん」を推奨していますから、少々、言いにくいのですが、翌朝の教室では、オールナイトニッポンの方が話題にのぼることが多かったようでした。
時折、子どもたちから「こんな曲も知らないの? いま、流行っているのよ」と言われることがあります。「そうか」と聴いてみても、「歌詞」に感動することはめったにありません。受験や思春期を乗り越えるための応援歌のような歌もきっとあるはずなのにと、思っていました。
先日、テレビでNHK全国学校音楽コンクール(中学生の部)を観ました。各県・各ブロックを勝ち上がってきた中学生が課題曲と自由曲の2曲で競います。課題曲はアンジェラ・アキさんの『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』でした。
拝啓 この手紙読んでいるあなたは どこで何をしているのだろう
十五の僕には誰にも話せない 悩みの種があるのです
未来の自分に宛てて書く手紙なら きっと素直に打ち明けられるだろう
本選前の放送でも、予選を目指すいくつかの学校を取り上げていました。たった二人の部員、当然、コンクール出場はかなわないはずでしょうが、懸命に練習している姿をみて、胸を打たれたのは私だけではないでしょう。
本選の成績発表が終わり、NHKホール客席にいた出場者全員(先生も含む)で、『手紙』を歌っている姿も圧巻。泣きながら歌っている子もいました。この国の子どもたちは、本質的には何も変わっていないのだと安心したところです。
また、立山町では、固定資産税率アップという納税者のご負担もいただきながら、校舎の耐震化工事や改築工事を政策の優先課題として進めています。しかし、コッキーポップのような番組が今の時代、少なくなっているのならば、そうした機会を提供したいという現場の声にも、耳を傾けていかねばならないと痛感もしたところです。
なお、富山県大会(中学生の部)は8月7日に開催され、県内の10校が出場し、立山町立雄山中学校は銅賞でした。録画放送もされたようですが、ぜひ、生で聴く機会があればと思っています。
更新日:2021年06月01日