2021年11月16日町長コラム
富山市と立山町は消防指令業務の共同運用を目指すことに合意しました 2021年11月16日掲載
これまでの経緯を振り返ります。
平成18年に消防組織法が一部改正され、市町村の消防の広域化を進めることになりました。これを受けて、平成20年に富山県は消防広域化推進計画を策定しました。当初、県は、(1)富山市を含む5市町村(富山地区広域圏)案、(2)富山市を除く県東部すべての市町村で一つとする案、(3)常願寺川に接する立山町と舟橋が富山市と一緒になる案、という3案を提示しましたが、新川地域消防組合(黒部市、入善町、朝日町)が不参加表明後、その後の協議の中で、立山町を除く市町村(魚津市、滑川市、上市町、舟橋村)で富山県東部消防組合ができたのです。
私は、生活圏、医療圏、交通事情、さらに常願寺川の河川流域大規模災害への対応面などから富山市を含む広域化がベストと考えていたので、平成23年3月に議会の了解を得て、当面、単独消防とする決断をしたのです。
その後、立山町の芦峅寺や千垣などの住民から救急要請があった場合、町消防本部(米沢地内)からよりも、常願寺川左岸の富山市小見地区の消防分遣所から救急車が出た方が早く到着できることから、緊急性が高いと判断した場合は、富山市に応援していただくこと。その他に、例えば、富山市と立山町にまたがって立地している常願寺川公園内では、携帯で119番した場合、どちらの消防本部で受信するかわからないことから、これに柔軟に対応すること、などを定めた応援協定を同年7月28日に、富山市と立山町の両消防団長立ち合いのも
と、森雅志富山市長(当時)と締結したのです。
立山町では、平成26年12月に、国の有利な財政支援措置を活用して、5億7千万円で消防通信指令システム等を整備することができましたが、次回、更新するときは、消防の広域化(他の自治体と連携)を進めなくては、国の支援措置は望めません。もちろん、お金だけの問題ではありません。近年、全国各地で大規模災害が頻発しています。日本有数の急流勾配河川である常願寺川を挟んで接する富山市消防とより連携を深めることが重要であると考えます。
そこで、これまでの経緯をご存じの森雅志富山市長(当時)が在任中にと思い、令和2年12月18日に、消防指令業務の共同運用(業務の委託等)の検討を要請したところ、富山市より令和3年3月までに「共同運用を前提として、本格的な協議を開始すること」との回答をいただきました。
本年5月から、富山市長は藤井裕久さんに替わりましたが、森前市長からしっかり引き継いでおられたので、11月5日、標記のとおり、合意に至りました。平成23年7月の応援協定締結時に立ち会っていただいた富山市と立山町の両消防団長さん(故人)はじめ、これまでにご尽力いただいた皆さんに感謝申し上げます。住民の安心を裏付ける根拠となるよう、そして、富山市にとってもメリットが増すよう、さらに協議を重ねてまいります。
(補足)消防指令業務の共同運用について
富山市と立山町の消防指令業務を共同でおこなうことになり、現在の富山市消防局の設備を一部改修し、共同指令センターとして整備するものです。
具体的には、現在、立山町内の119番通報は、立山町消防署に入電していますが(例外的に、携帯電話での通報については、電波の関係で他の消防本部に入電することがあります。)、共同運用後は、富山市消防局に入電することになります。
119番通報を受けた富山市消防局が、火災・救急などの発生場所や、通報内容を町消防署に指令として送り、その指令を基に町消防署から出動することになります。
更新日:2021年11月18日