2011年9月28日町長コラム

更新日:2021年06月01日

布橋灌頂会 2011年9月28日掲載

 9月24日、2年ぶりに布橋灌頂会を開催したところ、天候にも恵まれ、大勢のお客様をお迎えして盛会裏に終えることができました。この行事は、約140年前までは、芦峅寺の集客行事として毎年、行われていましたが、幕末から明治にかけての廃仏毀釈により、その実施主体が消滅してしまったため、長い間行われていませんでした。ところが、国民文化祭とやま96年大会において、立山町のイベントにも数千万円が国から交付されることになったため、布橋灌頂会を1回限りでしたが、復活することができました。

 これを恒久的な行事にしようと、前町長が平成17年に再度復活開催され、私は、平成18年2月に町長に就任しましたが、「平成18年度も行うことが既に決まっている。」ということで、2年続けて開催したのです。ところが、この行事を毎年、実施するためには課題が多くあります。その一つが、財源です。平成17年だけでも、約2,250万円がかかりました。その多くを企業からの協賛金で賄われましたが、昨今の経済不況では、あまり望めません。そこで、町の一般財源から、毎年、100万円を積み立てることにしました。(注意:ちなみに、立山町最大の集客イベント(約5千人)であるたてやまドンドン祭り(花火大会)への町補助金は150万円です。)なお、平成21年は、国の経済対策の補正予算により、文化庁から富山県を通じて、約560万円が交付され、過去2回の行事に比べれば、低予算でしたが、なんとか開催できました。

 そこで、今後は、3年に1度の開催ということで、地元芦峅寺集落と申し合わせを行い、これを踏まえて、富山県においても、地域イベントの補助金としては異例の200万円の予算をつけて頂きました。

 ところで、今回の開会式での私の挨拶で、「そもそも、この布橋灌頂会は、いったい何の行事なのだろうと改めて考えてみた。伝統行事でもない。八尾のおわらのように、地元の人が主役になっているわけでもない。声明を謡う約20名のお坊さんは全員県外から来てもらっている。雅楽を演奏しているのは、高岡市(旧福岡町)の洋遊会の皆さんだ。地元芦峅寺の皆さんは、もっぱら裏方で頑張っておられる。やはり、芦峅寺の皆さんが心底、この布橋灌頂会が楽しい。この行事があるから、この集落でこれからも住み続けたいと思っていただけるようなものにしていかないと、伝統行事になり得ない。」と触れました。

 次回まで、3年あります。この間に一人でもいいから、声明を謡うお坊さんが富山県から現れてほしい。雅楽を演奏できる人が立山町から現れてほしいと願っています。実際に、この行事を指導していただいている立山博物館さんをはじめとする関係者の皆さんに働きかけていきたいと考えています。

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