2014年8月13日町長コラム

更新日:2021年06月01日

立山駅前駐車場の一部有料化実証実験事業をしてみたいが… 2014年8月13日掲載

 8月2日(土曜日)、朝一番の立山ケーブルカーに乗り込むため、5時25分に立山駅前ロータリーに着きました。
妻は、「駐車できるところを知っているから」と私を降ろすとすぐ車を走らせ、5時50分頃になって、ようやくリュックを背負って駅前に戻ってきました。駅に最も近い駐車場が、県自然保護課管理分であり、区画線により230台分が確保されていますが、ケーブルカーの始発前から車両通行部分にも沢山の駐車。諦めて、ずいぶん遠くの駐車場から歩いてきたのでしょう。

 駅周辺には、このほかに500~950メートルほど離れた場所に4箇所、合計507台分の駐車スペースを立山町が管理しています。
ハイシーズンにはケーブルカーを運行している立山黒部貫光株式会社さんも臨時駐車場として280台分を確保されています。
但し、900メートル以上も離れた場所を含めた数字です。

 つまり、数日間にわたって、県自然保護課管理分に駐車される人がいるため、実際の観光客数と駐車台数がミスマッチしているのです。
このことから、「今日は秋晴れの天気なので、弥陀ヶ原の紅葉を観たい」とやってきた日帰り観光客でさえも、徒歩10分以上もかかる臨時駐車場に車をとめて、止む無く車道を歩いている高齢者を見かけることがあります。
なお、アルペンルートのもう一つの玄関口である長野県扇沢駅では、24年度から駅に最も近い駐車場については有料化を実施しています。

 このことから、立山町では、平成24年12月6日に石井富山県知事に対し、「観光客の利便性向上(無料と有料の選択、満・空車状況の表示、多客期に誘導員の配置、除雪・樹木管理など)と、路上駐車による事故防止のため」として、有料化に関する要望書を提出しました。富山空港の駐車場をイメージしていただければわかりやすいと思います。多少、お金を払っても近い場所がいい、ケーブルカーの時間に間に合わないからという人はおられます。
また、愛車を無料ゾーンに長時間駐車することに対し不安を感じ、立山駅周辺にある宿泊施設の駐車場に、お金を支払って利用する観光客もおられます。

 そこで、県幹部と県内15市町村長との会議の場でも、立山町長として発言しました。後日、新聞各紙で取り上げられております。(複数の記者からも、賛同の意見をもらいました。取材のときそう感じたマスコミ関係者が多いのでしょう)

 ところで、立山駅を利用している団体等で構成する「立山駅周辺美化協議会(会長 千寿ヶ原自治会会長)」があります。主な事業として、観光バスの運転手に対してアイドリングストップを呼びかける人件費をはじめ、草刈り、除草、花植えがあり、年額約140万円を使っています。負担金は、高い順に、立山町48万円、立山黒部貫光株式会社36万円、立山貫光ターミナル株式会社12万円、富山地方鉄道株式会社12万円、富山県10万円、立山山荘協同組合6万円、千寿ヶ原自治会6万円、ほか3団体が5万円となっています。
「1年を通して、プランター花を設置したらどうか」という声もいただきますが、これ以上、税金で負担するのもどうかとも思います。

 そのため、本年7月3日、県生活環境文化部(自然保護課を所管)に提出した平成27年度立山町重点事業要望書には、立山駅周辺美化協議会が実施主体となり、駐車場確保が最も困難なことが予想される10月4日(土曜日)と5日(日曜日)の2日間だけ、駅から至近距離にある県自然保護課管理分について、1日1000円程度の料金を徴収することとし、利益が出た場合は、翌年度に駅周辺の美化管理に充当するという提案をしたところです。

 「無料」のものを「有料」にするということは、一見すると「サービスの低下」と捉われがちです。しかし、利用者に「選択」というサービスの提供を図ることにより、時間の節約、身体負担の軽減、そして安心感を得られるという、多くのメリットへ繋がることも期待されます。

 そこで、実証実験の2日間、有料ゾーンを利用する観光客に「アンケート調査」を行い、「観光客の視線」にたったうえで課題を分析し、次のステップに繋げる事が大切であると思います。

 しかし、今現在、県のご理解はいただけておりません。

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