2015年6月10日町長コラム
平成27年度の予算のしくみガイドブックを全戸配布しました 2015年6月10日掲載
今年も、町広報たてやまの全戸配布に併せて、「予算のしくみガイドブック」を全戸配布しました。正確に申し上げれば、各区長さんに配布をお願いしています。
郵送すれば楽かもしれませんが、この郵送費の一部に相当するお金を「広報配布手数料」として、自治会(集落)の活動費用に充ててもらっています。
なお、ある議員からは「配布をやめたらどうか」とご意見もいただきましたが、議長をはじめ他の議員からは、「いいことだ」と後押ししてもらいましたので、昨年より一ヶ月遅れとなりましたが、今年も発行させていただきました。
毎年、発行する意図は、表紙裏にある「はじめに」に書かせていただきました。
予算のしくみガイドブック はじめに
平成27年度予算は、一般会計で107億2,800万円となっています。これだけあれば、いろんなことができると思われますが、案外そうでもありません。
2年前、「災害時に避難所となる学校にエアコンを整備するならば、通常は国の補助1/3のところ、今回は特別に、残りの2/3についても、その9/10までを補填(平成24年度補正予算の元気臨時交付金)するけど、どうですか?」といった国の予算案が決まりました。(大型電器店のポイント制みたいですが、)計算してみると町の負担は実質6%となるので、「それならば」と町内全小学校のエアコン導入に踏み切ったことがあります。
このように、その時々の国策により補助率が実質アップする事業もあれば、音楽関係の方から要望の多い音楽ホール建設のみの補助制度など、なかなか見当たらないものもあります。
また、小規模事業者等に低利融資するために、町からその年度の初めに2億7千万円を金融機関に無利子で預け、年度末に返してもらっていますが、これも予算上は、歳入と歳出に含まれています。このようなものを省くと、実質の収入といえるのは、およそ76億円にまで減ります。ここから人件費、医療や介護保険制度を支えるための費用や、下水道工事等のローン返済など、支払先が毎年、決まっているものを除くと、実は5億円になってしまいます。さらに、富山地方鉄道株式会社が線路の枕木を交換する費用も、「国と県がこれだけ負担するから町もこれだけ負担しなさい」といったように、法令で町の負担割合が決まっている事業もあるので、町が独自に何かやりたいといった事業にまわせるお金は、さらに減ってしまいます。
しかし、町民の要望は様々です。そこで、各事業ごとにお金の出どころを公開することにより、「それならば、あれをやめて、ここにお金を使ったらどうか」と、町民(法人含む)があちこちで議論できるような参考資料になればと、平成19年度から富山県初の「予算のしくみガイドブック」を作成しております。
「100%満足はできないが、納得はできる」、あるいは、「ちょっと、わかりにくいところがあるので、直接尋ねてみよう」と、町政懇談会などでご意見をいただけたら幸いです。
更新日:2021年06月01日