2015年7月6日町長コラム
立山イノベーションパーク(利田地区企業団地)の軟弱地盤問題に関する報告とお詫び 2015年7月6日掲載
7月1日、立山町臨時議会において、下記の新聞記事の通り、補正予算案を議決いただきました。財源は、これまで企業誘致のために積んでいた「地域雇用創出推進基金」から繰り入れますが、貴重な公費からの支出であり、町民の皆様には誠に申し訳ないと思っております。
このエリアは農地ではありますが、大規模工場が南北に隣接していることから、平成22年頃から、積極的に企業誘致を進めています。お陰様でこれまでに複数の優良企業に立地いただきました。
今回の場所もその一角にあり、昨年9月、進出を希望される企業2社とそれぞれ協定を結びました。立山町では進出企業との間で、場所や用地面積の合意をした時点で、町において用地購入や造成を行い、それに要した経費を企業の買取価格とするシステムをとっています。
地権者との用地交渉もまとまり、本年1月、いざ契約と言う段階で、町担当者は地権者から「陸堀(おかぼり)された土地」であることを聞きました。これまでの準備の段階で、法令に基づく土壌汚染調査結果も問題なく、また最近実施した隣接地の地盤強度測定でも十分な結果を得ていたことから、現場レベルでこの陸掘情報は留まり、上司には報告されませんでした。陸堀とは、地中に含まれる砂や砂利を建設用資材として採取するため、地面を深く掘り、採取後に土砂等で埋め戻す工事です。
4月27日、町との売買契約前ではありますが、進出予定企業が施設建設のための試掘ボーリングを始めると、地中からコンクリート片や木片が出土し、「ここは陸堀があった場所ではないか?」と問い合わせがありました。5月22日に私が知るところとなりました。
それは、企業が一から別の場所を探すとなると、工場の完成が遅れ、これに伴う納期遅れという多大な損害が予想されるので、建物のゆがみやヒビが出ないように現地点での地盤強化を求められたのです。
6月17日、町議会に報告し、「立山町として広く県内外の企業に向け進出を呼びかけてきており、今回の事態に係る町の対応について、多くの企業が注視している。その意味においても、町としてきちんと責任ある対応をすべきだ。」とのご意見も踏まえ、臨時議会で予算措置をお願いしました。
企業誘致面において土地履歴情報の管理が十分でなかった点や、役場組織として、いわゆる「ホウレンソウ」報告・連絡・相談のシステムが機能しなかったことなど、体制全体の危機管理意識が甘かったと反省しております。今後、二度とこのようなことが起きないように、職員の意識改革と組織体制の強化に努めてまいります。
なお、進出予定企業との土地売買契約を締結し、無事、着工された後、私自身をはじめ関係職員の処分等を法令に照らし、適切に行いたいと考えております。
町民の皆様に、ご心配とご迷惑をおかけしたこと、重ねてお詫び申し上げます。
平成27年7月2日 北日本新聞
[基礎変更費5830万円可決 臨時立山町議会 企業団地軟弱地盤対策]
臨時立山町議会は1日開き、同町利田地区の町企業団地の一部が軟弱地盤と判明した問題で、進出予定企業2社の基礎工事変更などに伴う2015年度一般会計補正予算5830万円(累計109億7678万円)を全会一致で可決した。
2社分合わせて約6100平方メートルの土地が、1988年ごろに石や土砂が採取された軟弱地盤と判明。
町は両社の基礎工事変更費用を負担するほか、自然由来のフッ素を含む土砂を封じ込める措置を行う。
本会議に先立ち全員協議会があり、町担当者が採取を地権者に聞きながら上司に報告しなかったことについて、後藤智文氏が原因究明と再発防止を求めた。舟橋町長は「都合の悪い情報こそ速やかに上げることを徹底する」と述べ、町広報や町ホームページ、町政懇談会などで町民に経過を説明する考えを示した。
更新日:2021年06月01日