2015年10月29日町長コラム

更新日:2021年06月01日

一生に一度は観たい称名滝 2015年10月29日掲載

 10月31日と11月1日の両日、称名滝遊歩道入口(標高970メートル)から、称名滝の手前300メートルのところにある飛竜橋(標高1,040メートル)までの区間(およそ800メートル)に、電気自動車(EVカー)を走らせます。

 落差日本一(350メートル)日本の滝100選にもなっている称名滝には、年間25万人の観光客が訪れてはいますが、バスや車で行くことができるのは、レストハウス称名の手前の駐車場まで。ここから先は舗装された遊歩道になり、30分ほど歩かないと滝を間近で観ることができません。坂道であるため、現地で諦めてお帰りになる高齢者や足腰の不自由な方がおられるそうです。

 そのため、過去に一度だけ、町民福祉の一環ということで警察の特別の許可をもらい、高齢者数名を乗せたハイブリッドカーのワゴン車を走らせたことがあります。但し、遊歩道に安全監視員を配置するなど、お客様一人に対し、3倍以上のスタッフを動員するなど苦労しました。

 このたび、観光庁の支援を得て、対象者を町外にも拡大し、75歳以上の高齢者や障害者手帳をお持ちの方をEVカーで送迎することになりました。30名の募集枠のところに約100の応募があったと聞きました。予想通り、「一生に一度は、行ってみたい場所」と思っておられる方がいました。

 ところで、称名滝という名前の由来は、その滝の音が「南無阿弥陀仏」と称名念仏を唱えているように聞こえることから名付けられたともいわれています。また、悠久の時を経てこの滝音が響き続ける環境をいつまでも残していくために「日本の音風景100選」にも選ばれているのです。

 そこで、当初、タイトルを「冥土の土産に称名滝」と思いつきましたが、「意図と異なる捉え方をされるかもしれない」と、まわりから反対されました。辞書には、「冥土の土産とは、それを手に入れて初めて安心して死ねるような事物をいう」と出ていましたが、私は、お年寄りが孫の結婚式に出席するなど、「お金では買えないような幸せを感じたとき」に使われていると理解しています。

 ただ、富山県は真宗王国といわれるほど、「南無阿弥陀仏」を唱える浄土真宗の方が多いところですが、浄土真宗では「冥土」ではなく「浄土」としているので、なるほど、適切なタイトルではないのかもしれません。しかし、一生に一度は観てもらいたい滝であることに変わりありません。

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