2016年1月7日町長コラム

更新日:2021年06月01日

申(さる)年だけども、猿(サル)受難の年にしたい 2016年1月7日掲載

 平成28年の幕開けを立山連峰の稜線がくっきりと見えるほど、穏やかに迎えることができました。皆さんから、「雪もなく、いい天気ですね」と声を掛けられましたが、そうばかりも言ってはおられません。

 近年、富山県では猪(イノシシ)をはじめとする鳥獣が増えています。冬眠するクマと違い、イノシシは静岡県伊豆地方や雪の少ない西日本が生息地であったはずです。ぼたん鍋(猪鍋)も、富山ではポピュラーな料理ではありません。しかし、地球温暖化のためか積雪量が減少したことにより、脚が短いイノシシでも移動が楽になりました。そして、数十年前までは、生息地でなかったはずの北陸にも、多数出没するようになったと思われます。さらに、中山間地域の過疎化が進行したことにより、人(ヒト)を恐れなくなったサルなどが人里まで下りてくるようになり、田畑を荒らすようになりました。結果的に、過疎化を加速させています。

 5日の地元新聞社の新年挨拶まわりでは、「そんなに深刻なの? 被害額はどれぐらいあるの?」と訊かれましたが、田畑のまわりにイノシシの侵入防止用電気柵の設置を進めてきたため、金額ベースでの被害は増えていません。ただし、設置や維持管理にお金がかかるし、たとえ、自家消費野菜といえども、収穫寸前の野菜等を荒らされてしまうと、農家の精神的なダメージは計り知れないものがあります。また、イノシシ用の電気柵では、サルは簡単に飛び越えてしまいます。

 立山町では猟友会の皆さんの中から、国の補助事業を活用した「鳥獣被害対策実施隊」として任命し、生息数の減少に向けて取り組んでいますが、サルについては、ジビエ料理にもならないので、実施隊のモチベーションが上がりません。そこで、サル一頭捕獲につき町の3,000円(平成25年度~)に加え、国の8,000円(平成26年度~)を交付してきましたが、平成28年度からは町の交付金をアップできないかと考えています。さらに、放置竹林を整備し、里山と人里の境界を明るくし、サルやイノシシを視認しやすくすることについても取り組みたいと考えています。

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