2016年2月16日町長コラム

更新日:2021年06月01日

「置かれた場所で咲きなさい」を読んで 2016年2月16日掲載

 累計200万部のベストセラーとなった「置かれた場所で咲きなさい」を読みました。著者は、岡山県にあるノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さん。父親は、1936年に高橋是清大蔵大臣(元首相)ほかが襲われたクーデター未遂事件「二・二六事件」の被害者の一人、渡辺錠太郎教育総監。9歳になる娘(和子)と61歳の父と二人だけで寝ていたところを襲われました。壁に立て掛けてあった座卓に娘を隠した父親が43発もの銃弾にたおれたところを目の前で見てしまいました。
1927年生まれということですから今年で89歳になられます。

 さて、この「置かれた場所で咲きなさい」の中に、「愛は近きより」というエッセイがあります。
「施設、被災地への奉仕、ボランティアも、もちろん大切なことですが、同じその人たちが、自分の家庭、日常生活の中で、進んで人のために働いているか、人を許し、愛しているかが問われているのです。」と書かれてしました。

 わが立山町では、高齢者のみの世帯が増えています。子どもたちは県外に出たまま。
けっして若くはないご近所の方や民生委員さんたち、つまり、他人が世話をされておられます。
新天地で、何かしら社会に貢献されているとは思います。止むに止まれぬ事情があるのでしょう。
それでも、ノーベル賞を受章されるような研究のため、出て行くのならばともかく、自分の親の面倒ぐらいみられなくて、他に何をすることがあるのかなと思うことがあります。

 渡辺和子さんよりも4歳下、1931年生まれで85歳になる曽野綾子さんの著書に、「オリンピックでメダルをとった人のことを、それほど偉いとは思わない。母親としての生活と厳しい練習の生活を同時にやってのけたことは、確かに意思の弱い人にはできないが、その程度の辛い生活に耐えた人は世間にいくらでもいる。その選手にはその厳しさに華々しく報いられる場があった。
しかし、年老いてぼけた自分の父母を、何十年も介護し続け、ほとんどの人生を犠牲にしながら、誰からも注目されず、もちろん、メダルももらわなかった人の方が、私はずっと偉人、偉い人だと思う」とありました。

 国の27年度補正予算のメニューに「地域少子化対策重点推進交付金」があります。町の提案が採択されれば100%補助となりますが、私は、「都会で暮らす孫への手紙」を提案してみました。

この記事に関するお問い合わせ先

企画政策課 秘書政策係

郵便番号:930-0292
富山県中新川郡立山町前沢2440番地 庁舎2階

電話:076-462-9105
お問い合わせはこちらから