2016年6月20日町長コラム

更新日:2021年06月01日

「32%」 2016年6月20日掲載

 22日、第24回参議院議員選挙が公示されます。今回から、一部の高校生を含む18歳以上まで投票権が拡大したため、各政党・候補者による若年層への働きかけがようやく報道されるようになりました。都知事の政治資金疑惑のために、国政選挙という重要問題がこの2か月間、少なくともテレビのワイドショーにおいては隅に追いやられていた感じがします。

 政治資金といっても、政治家が自身の支持者から直に渡される政治献金が主であるものと、舛添要一氏のように、某政党に交付された政党交付金(国民一人あたり250円の税金を国会議員数や直近の国政選挙における得票率等に応じて配分)から自身の政治団体に移したものが含まれているものとでは随分、意味合いが違います。しかし、一連の騒動のせいで、政治家への不信を深めてしまったことは残念です。

 さて、舛添氏が再選を果たした平成19年参議院議員選挙の投票率は58.64%であり、20歳代では36.03%でした。そして、直近の国政選挙である平成26年12月の衆議院議員選挙では、全体の投票率が52.66%、20歳代に至っては『32.58%』まで下がっています。

 また、舛添氏は平成19年8月から2年間、厚生労働大臣を務められましたが、「消えた年金」問題への対応が印象に残っています。以後、様々な対策が進められてきましたが、現在の保険料納付率はどれくらいになっているのでしょうか。

 平成26年度の国民年金(第1号被保険者 1,742万人)の現年度分の納付率は63.1%でした。
しかし、これにはカラクリがあって、生活保護受給者や低所得などにより納付を免除・猶予されている人が602万人ということを考慮すると、実質納付率は40.6%になります。また、学生特例が外れるはずの25~29歳の納付率が『32.1%』という数字も見逃せません。経済的な問題だけではなく、「自分が65歳になっても年金を受給できないのではないか」という年金制度そのものへの不信感が増大していることも要因だと思います。

 そもそも年金制度は、現役世代が高齢者等を支えるという考え方に基づいて制度設計がなされており、民間の年金のように、自身が納めた保険料で賄うものではありません。しかし、年金受給者の一部には、「俺は掛け金を納めたから」と、自分がどれだけ納めたかを計算できていない人を見かけると、若年層が気の毒になってきます。現行の年金制度を改め、全世代で年金制度を支えるというような抜本的な改革を求めている若年層は多いと思います。

 しかしです。年金制度の改革は、国会議員にしかできません。その国会議員になるには選挙で当選しなければなれません。当選するためにと、票の多いところに目が向くのは自然なことです。もちろん、近頃、流行っているデモに参加しても意思表示はできます。しかし、政治家にすれば、そのデモが自分の選挙区民の思いと同じなのかどうかが関心事です。やはり、政治を動かすのは、投票行動なのです。

 「適当な人がいなかったから」とインタビューに答える若者をテレビで見ることがあります。
それでも、投票所に行ってほしい。私は、学生時代、「棄権イコール政治に不満を言う資格がない」と、後輩に話してきました。

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