2016年11月14日町長コラム

更新日:2021年06月01日

身の丈にあった付き合いができないものか 2016年11月14日掲載

 11月6日、政務活動費の不正支出による富山市議会議員補欠選挙が終わりました。2014年7月、兵庫県議の号泣会見で話題になった政務活動費問題が、まさか、富山県において、ここまで波及するとは予想もしませんでした。当時、テレビを見ながら、「あの人は特別だ」と思ったのは私だけではなかったと思います。もっとも、辞職に至った元議員は、「次は自分かも」と眠れなかったかもしれませんが。

 事の発端は、富山市議会議員の報酬引き上げ問題を取材していた北日本新聞社の女性記者が、市議会自民党系会派控室において、会長(当時)から「突き飛ばれた」、「突き飛ばしていない」という言い争いに始まって、同新聞社をはじめとする報道機関が、氏の政務活動費の使途を丹念に調べたことから発覚したものと推測しています。見方を変えれば、あの「突き飛ばし」がなければ、闇のままだったのかもしれません。

 この数か月、地元紙やテレビ局は、政治家の政治資金や公費の使途に関して、県民や学者のコメントを引用しつつ、厳しく批判しています。第四の権力とも言われる報道機関本来の役割を果たしていると思います。ただし、先日、ニュース番組で某学者による「議員在職中は弔問を控えたら」という趣旨のコメントに唖然としたこともありましたが。

 他の自治体はどうか知りませんが、立山町職員の1親等、または同居の義父母までの近い親類が亡くなった場合に、立山町長名の生花が出されることになっています。但し、公費からではなく、職員間で積み立てたお金から支出されています。当然、その場合の香典も公費からは出ていません。もちろん、手ぶらでは伺えません。町職員に限らず、日頃からお付き合いのある方や、そのご家族に不幸があれば、お悔やみに伺いたいと思うのはごく自然なことであると思います。

 地方議員のみならず、地域のために活動されている方ほど、親しい方が増えてきます。もし、その方の身内に不幸があれば、知らないふりもできません。

 県内に町村が5つしかないため、全国中山間地域振興対策協議会などの会合で富山県代表として、よく、上京します。そこで、親しくなった東北地方のある町長さんに、「香典はどうしていますか?」と訊ねたところ、「近隣の首長さんと相談して、香典は3千円にしているんだ。もちろん、香典返しはいただかないことになっているよ。」と教えていただきました。そう言えば、富山県内の香典返しには、とろろ昆布や海苔が多いようですが、近頃は、商品カタログも見受けられるようになりました。もらった本人は好みのものを選べますが、富山県からお金が流出しているかなと、余計な心配はおいといても、葬儀には多額の費用がかかっていると感じます。ましてや、一家の大黒柱を失ったご家族の今後を考えると、余計な負担もかけたくありません。東北の複数の自治体のように「富山県内では政治に関わる者には香典返しはしない」といった取り決めがあればと思います。富山県の議員や首長、一人ではなかなかできないことも、世論をリードする報道機関ならばできるのではないかと思うのですが…。

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