2017年9月27日町長コラム

更新日:2021年06月01日

「立山黒部」世界ブランド化のために立山町ができることは その2 2017年9月27日掲載

 9月20日の夕方のニュースに、立山室堂山荘の佐伯千尋さんが県庁でインタビューを受けている姿が飛び込んできました。室堂周辺の6つの山小屋を代表して、富山県観光戦略課長に対し、「『立山黒部』世界ブランド化推進についての意見書」を手渡したところでした。

 意見書は、「『立山黒部』世界ブランド化推進会議」の委員でもある佐伯千尋さんが、同会議で発言されてきた内容に沿ったものでした。翌日、民放地方3局のホームページにある録画分で確認したところ、どこも大きく取り上げていました。さすがに、地元紙においても、「営業期間を延長すると登山者や観光客にとって事故の危険性が増す。ロープウエーの新設は自然を害する恐れがある」といった意見書の趣旨を掲載していました。

 今年の8月は、雨の日が多く、同じく雨が多かった昨年よりも入込み客が落ち込んだようです。そのため、雪の大谷シーズンにおけるインバウンドの増加分が吹っ飛んだ感じです。9月も、肝心の3連休に台風の通過と重なり、厳しい情勢です。立山黒部アルペンルートの運営会社が、その日、悪天候のため運行不能とならない限り、キャンセルされないインバウンドが集中する雪の大谷のシーズンを1日でも長くしたいとするのはこのためです。

 私は、10月が見頃となるラムサール条約登録湿地である立山弥陀ヶ原・大日平や称名滝の紅葉は本当に素晴らしいと思っています。しかし、「あした、天気が良さそうだから、紅葉を観に行こう」と、立山駅近くの駐車場が早朝から満杯のため、ときに900メートル以上離れた臨時駐車場から歩かれるお年寄りを見かけることがあります。これは、「登山者や室堂周辺で働く人のうち、何人かが長期間(複数日)、駐車する方がおられるから」と地元の方から伺いました。そのため、数年前、駅から最も近い駐車場(230台分)を管理している富山県に対し、ハイシーズンだけでも有料化(1日500円程度)の実証実験をしたいと提案しましたが、断られました。なお、その他の常設駐車場は立山町が管理しています。

 称名滝の駐車場はすべて県の所有ですが、立山町が管理を受託しています。そこで、昨年、遊歩道の起点となるレストハウス称名に最も近い駐車場をハイシーズンの2日間、有料化実験をしたいと提案しました。ここに長期間、車を駐車して、大日岳、あるいは八郎坂から弘法に向かう登山者がおられるからです。そのため、「いい天気だから、称名滝とコーヒーでも」と来られた方が、称名滝に近い駐車場が満車のため、長い坂道を歩いてこられます。しかし、これも県からNOとされました。

 致し方ないので、立山町が、観光客の皆さんに喜んでもらえるために他にできることはないかなと考えました。その1つが、立山駅前ロータリーの無電柱化です。立山黒部の玄関口に相応しい景観にブラッシュアップするのです。実は、過去に、地下に発電用の地下導水路があったことなど難題が多く、当時の施工者であった県が工事を断念した経緯がありますが、現在の技術と関係者の協力が得られればなんとかなるとのことです。今年度は調査・設計を実施しており、30年度に関係者の調整、31年度から工事に着手したいと考えています。

 但し、国土交通省から事業費の約1/2の交付金をあてにしているとは言え、残りは町負担となってしまいます。そのため、全国の立山フアンに、ふるさと納税(寄附)での応援をお願いしています。

 ふるさと納税は以下のサイトから申し込むことができます。

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