2009年5月15日町長コラム

更新日:2021年06月01日

竹を切ろう 2009年5月15日掲載

 ゴールデンウイーク中、方々からタケノコをたくさんいただきました。
煮物、タケノコごはん、味噌汁の具など、いろんな調理方法がありますが、どれも美味しくいただきました。富山県は都市別のタケノコ消費量が全国でも上位というデータがありますから、タケノコ好きは私だけでなく、富山県民の特徴なのかもしれません。

 さて、かつて県内の山村では、タケノコのみならず、親となった竹を伐採し、生活用資材として活用してきましたが、代替品の普及により、現在では竹材の生産量が減少しました。その結果、手入れが行き届かなくなった竹林が周辺の森林に侵入、樹木に光が当たらなくなるなど、周辺の生態系に影響を与える「厄介者」となってきたのです。

 そのため、立山町では平成19年度からスタートした富山県の「水と緑の森づくり税」を活用し、竹林整備を進めていますが、財源も限られていることから、伐採作業が竹林の旺盛な成長力に追いつけません。やはり、竹林は利用されてはじめて管理されるとの考えのもと、竹資源の利用方法を確立することがまず大事だと考えました。

 そこで、政府の景気・雇用対策として打ち出された平成20年度第2次補正予算のうち「ふるさと雇用再生対策事業(15,670千円 全額国庫負担)」により、立山山麓森林組合に委託して常時4名を雇用していただき、竹を伐採した後は、

  1. その場で、チッパシュレッダーで粉砕し、山林にそのまま散布。
  2. チップ化し、発酵させて竹堆肥とし、田畑に散布。
  3. 竹炭にしてからチップ化し、土壌改良材として散布。

するなど、竹林整備とその活用方法の検討を3年間継続して実施する予定です。

 個人的には、3番目の竹炭土壌改良材に興味を持っています。竹炭は、木炭に比べてミネラルの含有量が多く、特に珪酸・カリウムが多く含まれています。竹炭を田畑に散布すると、土そのものの通気性・通水性・保水性が高まり、有用な微生物が増殖し、作物の生育がよくなり、病虫害にも強くなると聞いています。昨今、市販の化学肥料や土壌改良材が高騰していますので、将来、この代替商品にならないかと期待しているのです。

 まずは、立山町の竹林を整備し、山里を明るくすることから始めたいと思っています。

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