2009年9月24日町長コラム
自公連立政権が惨敗した理由は? 2009年9月24日掲載
総選挙を受けて、民主党を中心とする連立政権が誕生しましたが、9月定例町議会では、複数の議員から、標記のテーマで質問を受け、以下のような内容で答弁しました。
高度経済成長・人口増加時代に於いては、自民党は政権を運営するにあたって、極端に言えば、成長の果実をどう配分するかを考えるだけで政権を維持することができた。
しかし、急激なスピードで少子高齢化が進み、人口減少時代に突入した21世紀にはいってからは、「あれもこれも」ではなく、「あれかこれか」の時代になった。
あるいは、利益の配分ではなく、負担の配分方法を決めることが政治家の役割になったという現実を、当の政治家もそして、国民の多くもなかなか受け入れることができないまま、現在(いま)を迎えている。
全盛期の自民党は、ひとつの選挙区に同じ党の候補者が立候補できる中選挙区制度の時代にあって、自分党と言ってもいいくらい、一人ひとりの政治家を支援する後援会組織が強力だった。ところが、小選挙区制導入によって、政党中心の政治活動や選挙が行われるようになり、個々の政治家の後援会組織が弱体化した。これは、今回の総選挙では当選回数が少ない若手、つまり、政党頼みで当選してきた議員の多くが落選し、後援会組織を温存してきたベテランが当選したことからも推測できる。
近年は、政権が行き詰まれば、リーダーを変えるという、疑似政権交代でしのいできたが、まさに変革者とも言える小泉純一郎という強烈な個性と力をもった政治家が去ると、その反動から党内が混乱し、その状況がマスメディアを通じてこれでもかと見せつけられた。
しかも、少子高齢化、低経済成長、財政赤字の増大などの直面する課題は、現政権の中での改革では期待できない。「この際、自民党以外の政党に、一度、やらせてみよう」とそう考えた人が多かったのではないか。
この際、野党となり、政権運営に汲々とすることがなく時間もあるのだから、この惨敗を機に自民党内で目指す国のあり方などを議論し、それを明確にするチャンスだと考えてほしい。
政権与党が信を失えば、すぐ代わり得る野党があるということは、国民にとって有益だ。
自民党には、国民のためにも健全野党として頑張ってほしい。これは、公明党についても同様の思いだ。
更新日:2021年06月01日