2018年2月2日町長コラム
除雪車は出ていないのか? 2018年2月2日掲載
今日は、久しぶりに徒歩で出勤しました。標高差おそらく30メートルぐらいでしょうか。40分ほどで役場に到着します。歩道が県道では、路肩に硬くなった雪が残っているため、正面から車が来るたびに立ち止まりながらの行程でした。
大雪となった先週、「立山町は除雪をしないのか?」とお叱りの電話等が役場に寄せられました。もちろん、しています。平成29年度当初予算に、除雪対策事業費として9千9百万円を計上しておりましたが、1月18日の時点で不足してきたので、約10億円ある財政調整基金から8千万円を取り崩し(専決処分といいます)、除雪費に充てたほどです。
除雪の委託費は、基本的に出動時間に応じて支払われます。ということは、雪が降らなければ、お金がかかりませんが、全町にわたって出動するとなると、700万円から800万円がかかります。そのため、除雪費の追加分8千万円も底が付いたので、さらに、財政調整基金を取り崩さなければならない事態となっています。
立山町では、積雪量が10センチメートルを超えている、あるいは、朝までに超えるだろうと判断する時刻を午前2時と設定しており、出動する必要があれば、各業者さんにメールで要請しております。そのため、午前4時頃から激しく雪が降り出す、つまり、予想が外れると、「何故、今日は除雪車が出ていないの?」といった事態になります。昨年の12月はそういう日がありました。かと言って、午前4時からの出動では、朝の通勤ラッシュ時間帯までに除雪が間に合わず、人身事故が発生する恐れがあるため、あえて、出動させないのです。
立山町議会議員選挙の期間と重なった先週は、道路は圧雪状態となりました。雪が硬いため、除雪車では取り除けないのです。その上に積もった新雪分を取り除くのが精一杯であって、素人目には除雪車が通ったように見えませんでした。
それでは、なぜ、圧雪状態になったのか? 降雪量に対し、除雪能力が劣ってきたことも原因かもしれません。それは、昔に比べて、除雪を引き受けてくださる土木業者さんが公共事業の減少による廃業、また、廃業しないまでも、近年の暖冬により出動機会が減り、大型機械を維持することができなくなったため、除雪業者が減っているのです。その分を、残った業者さんに引き受けてもらう、当然、対象道路の延長距離が伸びたことにより、出動のスタート時刻を早めたため、例えば、2時頃に除雪を終えた道路でも、4時間も経てば、また15センチメートルも積もってしまうことになるのです。
「それなら、融雪装置の工事をしたらどうか」と考えられますが、地下水をくみ上げるための近隣住民からの同意を得ることが難しくなっていること。また、融雪装置はポンプの電気代に加え、数年ごとのリフレッシュ工事に多額の経費がかかり、県でさえも、融雪装置のある路線の延長は進んでおりません。
本当に悩ましいところです。今月の20日、立山町建設業協会の総会に招かれているので、業者の皆さんから、お考えを伺いたいと思っております。
更新日:2021年06月01日