2019年6月27日町長コラム
もうしばらくで、「歩くアルペンルート」も楽しめる季節となります。 2019年6月27日掲載
立山黒部アルペンルートと言えば、立山駅からケーブルカーに乗り、標高977メートルの美女平駅から標高2450メートルの室堂ターミナルまで、高原バスで50分間、距離にして約23キロメートル区間が最も多くの方に利用されています。このタクシーを含む乗用車乗り入れ禁止の有料道路区間(歩行者は無料です)を富山県は美女平天空ロードと名付けました。
実は、このアスファルトで整備された道路に並行するようにほとんど木道で整備された歩道があります。これを「歩くアルペンルート」と呼んでいます。正確に言えば、黒部ダム建設のため、人力で資材を運んだルートも含みます。室堂から雄山への登山道の途中、一ノ越(山荘があります)から雄山を目指さず、東一ノ越に向かいます。上空にロープウェイを眺めながら、タンボ平を歩き、黒部平駅へ。さらに、黒部湖キャンプ場を経て、黒部ダムに着きます。私は2度歩きました。
ようやく、本題。
この歩くアルペンルートに、昭和天皇・香淳皇后両陛下もお立ち寄りになられた大観台(標高1470メートル)があります。文字通り、落差日本一の称名滝を観るためのスポットです。しかし、当地は、崖(称名道路からは悪城の壁とよび、観光名所となっています)から、灌木(雑木)が伸びたために、長い年月の間、その絶景を観ることがかないませんでした。
私のような地元の登山愛好者は、称名滝の近く、飛竜橋(1040メートル)から八郎坂を使い、弘法(1630メートル)のある「歩くアルペンルート」を目指します。その間、4段となる称名滝の滝壺も見ることができたので、大観台からの景観について、さほど気にしていなかったのです。
この春、富山県が主宰する「『立山黒部』世界ブランド化推進会議」において、当初、称名平休憩所駐車場(970メートル)から、ロープウェイで登るために、新たに大観台駅を造るという構想がありました。現在は、県が環境省に対し、大観台周辺の整備を要望するということで落ち着いたようです。これに関連して、県議会の一般質問では、「トイレも設置しては」との発言があったことを新聞で知り、慌てて、「トイレほど維持費がかかるものはない」と、質問された議員に説明させていただきました。トイレでなくても、例えば、雨風を凌ぐためのあずま屋など、お金をかけて立派なものを造っても、後年度の維持管理費を確保しておかないと、今回のようなことになってしまいます。
まあ、せめて、昔のように滝がみえたらいいなと、6月25日、山岳協会員でもある町役場職員5名に出動依頼し、私も枝切りバサミなどを持ち込み、また、林野庁富山森林管理署長と職員さんにもお出まし願い、1時間半、汗を流しました。(現地に行くのに1時間以上かかります) 屈強な役場職員がロープで崖を下り、ノコギリで伐採。私どもも、命綱をつけ、崖際や周辺の木道を遮る草刈りをしました。なお、当地は立山町が国や県から管理委託を受けているわけではありません。
7月1日、9時から立山駅前で、夏山開きの安全祈願祭などを行います。式典終了後、貸し切りバスで室堂に向かうツアーを募集しました。途中、大観台に立ち寄ることになっています。天気が良ければと願っています。

更新日:2021年06月01日