2020年1月22日町長コラム
2020年の立山町成人式での町長式辞 2020年1月22日掲載
令和2年(2020年)1月12日、立山町民会館で立山町成人式を開催しました。
スピーチ原稿なので、すべて、この通りには話しておりません。ご了承ください。
2020年の成人式、おめでとうございます。
しかし、君たちの未来、例えば、20年後2040年の日本、現状のままでは、華やかな未来が待っているとは、少なくとも私には言えません。
皆さんが生まれた頃、(20年前)、私は町議会議員でした。当時は富山県内で最も若く、県内の若手議員による政策勉強会の代表もしていました。当時から、少子高齢化により、財政が厳しくなるとわかっていましたが、地球温暖化により、千年に一度の大雨が全国各地で毎年起こることは予想していませんでした。いや、恐ろしくて、考えないようにしていたのかもしれません。
また、少子高齢化により空き家が増加。また、20年前、雪国の富山には生息していなかったはずのイノシシが大量出没し、町長として、その対応に追われるとは想像していませんでした。
高齢化により、このままでは国の財政はもちません。24年前(平成8年)の衆議院議員選挙から小選挙区制が導入され、一人しか当選できないものだから、候補者の多くは有権者が嫌がるようなことをしなくなりました。よって、最も有権者が多い、投票率も高い、つまり、高齢者が嫌がる政策はできなくなりました。いま80歳ぐらいの人は、自身が現役時代に払ってきた年金保険料の数倍の年金をすでにもらっています。十分、元がとれています。
また、若いときに年金保険料を払っていなくても、生活保護制度で救われています。全国で200万人が受給されています。医療費もタダになります。但し、この制度を維持するために、3兆7千億円の税金が使われています。消費税2%弱分です。もちません。片や、皆さんの老後は、年金だけでは生活できないと言われています。
地球温暖化、高齢化による財政破綻、どうして、このようなことになってしまったのか?
それは、皆が自分のことしか、考えなかったからです。考えることを先送りしたからです。人口が増えないのに、新しい家を建てれば、自分が生まれ育った家は、いつの日か空き家になる。住んでいた人が突然、亡くなれば、その人の家は空き家になってしまいます。
とは言いながらも、私は皆さんに負担を押し付けようとは思っていません。
人口減、働いて税金を納めてくれるような現役世代が減るならば、一人一人の生産性、所得を上げればいいのです。日本の国内総生産(GDP)は世界で3位ですが、一人当たりは26位(2018年)です。見方を変えれば、のびしろがあるとも言えます。
2030年ごろには、仕事の半分がAI(人工知能)やロボットにとってかわるという試算があります。つまり、新たな分野に人材を投入できると考えれば良いのです。私は、この町の資源を活用して、ビジネスをしようという人を応援していきます。諦めてはいません。
現代は、スーパーコンピューターにより、おおよそのことは予測できるようになりました。皆さんには、ドローンで自分の姿をみるように、これを俯瞰といいますが、高いところから、自分やまわりをみるようにしてほしいのです。今、日本や世界で何が起きているのか? これから、どうなっていくのか? 自分は何をすればいいのかと。そして、経験を重ねていくのです。それが、あなたたちの未来を切り開く力になります。
そう申し上げて、祝辞といたします。
更新日:2021年06月01日