立山歳時記 西大森の水神様の祭り
大洪水から村を守った大石
西大森の大石
祭りの様子
『とやまの年中行事』百選
- 所在地:立山町西大森
- 開催場所:西大森の大石
- 開催日:4月25日
立山町西部を流れる常願寺川は、立山を源流とする国内有数の急流河川です。
立山町西大森地内の堤防には、立山町指定天然記念物の巨石があり、地元では「みずかみさま」と呼んで親しまれています。
江戸時代末期の安政5年2月26日(注意:新暦1858年4月9日)未明、跡津・有峰活断層を震源とする推定マグニチュード6.8の大地震が発生し、常願寺川上流の立山カルデラでは大鳶・小鳶の大崩壊によって大きなせき止め湖ができました。そして、このせき止め湖は、3月10日(注意:新暦1858年4月23日)と4月26日(注意:新暦1858年6月7日)の2回にわたって決壊し、富山平野に大きな洪水被害をもたらしました。
西大森の大石は、もとは立山カルデラにあったもので、2回の洪水によって現在の場所まで運ばれました。そして、流れ着いた大石によって洪水の流れが変わり、西大森より下流右岸の被害を少なくしたといわれます。
西大森の人々は、大石の恵みに感謝し、大正4年には碑を建てて、護岸の神として祭るようになりました。
水神様の祭りは、洪水の恐ろしさと、その脅威から村を守ってくれた大石への感謝を伝えるため、西大森の人々によって絶えることなく続けられています。
更新日:2024年04月30日